22世紀中頃。
通常時空間(この世)の次元を超えた余剰次元(あの世)『インナースペース』に蓄積されるという情報PSIを引き出し、エネルギーや物質にまで変換、利用することが可能になった時代——
PSIテクノロジーは、莫大な恩恵を人類にもたらす反面、天災や奇病、怪異現象等、現実にはありえないような、予測不能の弊害をこの世に現すようになっていた。
こうした事態に対処するため設立された国際PSI災害研究機関(通称IN−PSID《インサイド》:Institute of PSI Disaster)では、余剰次元有人活動艇PSIクラフトを開発し、そのクルーであるINNER NAUTSを結成した。インナースペースから、この世へにもたらされる脅威を食い止めるべく、インナーノーツは、PSIクラフトを駆り、余剰次元インナースペースへと向かうのであった。
<第一部>
初のインナーミッション対象となった、五年昏睡にある謎の少女、亜夢。不思議な力、PSIキック能力の爆発的な能力解放が危惧された亜夢の目覚めを止めるべく、インナースペースの情報場である心象世界、魂時空間へと、インナーノーツは、新造PSIクラフト<アマテラス>で向かう。

亜夢の異常な目覚めを救い、危機を未然に防いだインナーノーツは、その後、数々のミッションに挑んでゆく——
ミッションの最中、インナーノーツの一員、<アマテラス>ミッション装備を担当する風間直人は、幼い頃亡くなった、PSIクラフト開発者である父の死の真相と、封じ込められていた衝撃的な深層心理の記憶を蘇らせる。
PSIテクノロジーの行き過ぎが招いたとされる、厄災、二十年前の世界同時多発地震。直人はその発生に大きく関わっていた。

罪の意識を抱えながらも、直人はミッションに臨み続ける。
その二十年前の世界地震の発端となった、慰霊祭の最中に発生した異変に臨んだインナーノーツは、その原因となっていた、古代、翡翠の巫女の怨念を、自らの願いを取り戻し、迷える魂を導く浄化の力へと変容へと|誘《いざな》う。その浄化の力は、贖罪を求め続ける直人にとって、一筋の光明であったのかもしれない。

一方で、異常覚醒の危機はインナーノーツによって防がれたものの、亜夢の魂は、相反する性質の二つの魂に分かれ、亜夢は、身体に二つの魂が共存する『ダブルソウル』の状態で目覚めていた。
一つは、亜夢自身の魂『セルフ』とされる、『生きる』本能のエネルギーの炎。一つは、そのエネルギーを鎮め、深層心理の深みから見守る、清浄なる水流のような存在。当初、IN-PSIDでは、その性質から火の精霊サラマンダー、水の精霊メルジーネと呼んでいたが、セルフであるサラマンダーが亜夢の主体的な人格として現れるようになると、もう一方の人格となったメルジーネは、ミッション中に直人の感じ取った、『アムネリア』という名で呼ばれるようになる。
直人とアムネリア。二つの魂は、二十年前の世界的震災に関わる深い因縁で結ばれており、量子もつれのようなつながりができていた。そのためか、直人と<アマテラス>の危機にアムネリアは、ミッションに度々、入り込んでしまうことになる。

アムネリアは、まるで深海のようなインナースペース深層領域を見透す力に長け、また、彼女の水のような性質は<アマテラス>を護る盾として強力な力となり、次第に<アマテラス>のミッションを支える重要なメンバーとなっていく。また、一方の亜夢も、IN-PSID、PSIシンドローム長期療養棟に一時入居した不思議な少年、咲磨との交流等をきっかけに、昏睡で止まった時を取り戻すかのように自我の成長を始め、亜夢・アムネリアは、インナーノーツに准隊員として加わるようになっていった。
<第二部>
その頃、世界各地のIN-PSID支部でも、PSIクラフトが順次完成し、各地のインナーノーツが活動を開始する。
『ガイア・ソウル』——インナースペース、集合無意識領域の更に深層には、地球の『魂』となる情報場が存在する——インナーノーツのミッションをとおして、IN-PSIDはこの、ガイア・ソウルが変動しつつあるという予測。その変動は、近い将来、二〇年前をも凌ぐ大厄災の可能性を示唆していた。

ガイア・ソウルの変動とそれに伴う、異変に対応すべく、IN-PSIDは、各地のインナーミッションを早期に立ち上げるべく動き出す。
日本本部所属<アマテラス>チームは、China支部、オセアニア支部、NUSA(新アメリカ合衆国)支部、EU支部、バビロニア連合支部を巡り、各地のインナーノーツのファーストミッションのトレーナー、及びサポーターを務める。

各地の多様なミッションは、インナーノーツメンバー、サニ、ティム、アラン、そしてカミラの記憶と深層心理と向き合う旅になる一方で、アムネリアの魂を『神子』と呼び、付け狙う集団や、人類の起源にも関わる存在、天使や悪魔といった霊的な存在と遭遇していく。

彼らもまた、ガイア・ソウルの変動と共に動き出した存在なのかもしれない——
バビロニア支部のファーストミッションは、当初の予定を離れ、バビロニア支部所属<イシュタル>と共に、カミラを巡る数奇な運命の交錯となるインナースペースの旅を終えた<アマテラス>は、活動限界が迫る中、帰還を急ぐ。
だが、その帰還航路は、突如として現れた『黄金の女神』によって立ち塞がれる。
女神は名乗る。
『我は、新時代の主。ノヴス・ドミヌスなり』
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